霜月十七日・二〇〇九 #297

「さて、一応資格は持ってんだがな」「相変わらず悪趣味なことを云うな、君は」そう云いながら手中の髪飾りを、在るべき処へ。「これはあんたが持ってろ。俺には預かれん」彼女の掌に、もう一つ。多分それも、在るべき処に。「さあ、何処へでも行っちまえ」ってお前それ待て、おい!

32.「永訣の餞」