皐月十八日・二〇一〇 #571

「鶚」少女が呟いたのは、もう誰も忘れてしまった名前。南溟に着くほんの少し前、遥か高い空を音もなく横切っていった、あれがそうなのだと。「あそこに行くの」それは紛れもなく決意で。「行こう」一際巨きな塔を上る。空が黒くなるほどの高みに来てやっと、眼下に光の帯が見えた。

塔を上る。答えが、そのカケラだけでも多分ある筈だから。確信めいてその歩みは止まることを知らない。
と云うこれが32768発めのpostである。