弥生十七日・二〇一〇 #502

201X年、かの条例の発効より数年。かつて首都だった街から「文化」が消えた。多くの出版社やそう云ったものは外縁たる関東各所に、或いは国内各地に居を移す。文化の担い手を以て任じる自称多称の文化人、碩学、売文の徒も去る。後世に云う「トーキョー=ディアスポラ」である。

非実在青少年シリーズとでも呼ぶか。実際こう云う動きになったり対抗してどこかの自治体が「(ゾーニングの徹底を前提とした上での)無修正までの容認」を打ち出したりすれば随分と色々動くのではないかと思っている。そうでなくともこれが電子書籍の普及の一助になる可能性はない訳ではないので、出版各社は是非中長期的ビジョンを確立してこの未曾有の法難から一縷の希望を見出して頂きたい。