弥生十五日・二〇一〇 #501

「T領域」正しくは「東京旧首都領域・事象流動化警戒域」。眼前に漂う形容し得ざる虚数空間の断片こそ、意識が物理的干渉に至った最初の事例、新たなる世界の始まりの地である。自治体レベルの法規が、そんなものがよもやそこまでの事象を引き起こすなど……誰も考えはしなかった。

ネタ的には#497と同様。「消し去りたい」と云う想念と、それをこそ消し去りたい、と云う想念が対消滅を起こす。閾域下、形而上での「想念の対消滅」が発するエネルギーは位相を反転して形而下に流れ込み、虚数空間を発生させる……と云うようなネタを思いついただけである。ネタにする分には語感も悪くないのだが、実際洒落にならんぞ「非実在青少年」のアレは。個人的には以前書いた「虚人」にも繋げられなくはないけれど。