睦月十八日・二〇一〇 #445

わたしの不注意で毀してしまった、あの人形。そう云えば、師匠から譲り受けた時と同じじゃないか。あの頃のわたしも寝食を惜しんで取り組んだものだが、あまり無理ばかりはよくないぞ、と、その時。あの日のメロディ。幽かに、確かに。作業台に突っ伏す彼を見遣り、子守唄のように。

「自鳴姫譚」後編。現時点では少年が起きてる間は一度も謳ったことがないのですよ。