霜月十五日・二〇〇九 #291

「……を。アポイントは取ってある筈だ」人の世に身を窶すには、それなりの備えを。誰が思う、其処こそは万魔殿の門と。昇降機は登りながら堕ちてゆく。掌から、熱と鼓動。開くフロアに、奇妙な静謐。そこはもう、ヒトの世でなく。隠しもしない魔を纏い、嘗ての相棒が俺達を迎えた。

27.「サイカイ」
随分久しぶりに書いた。お蔭で口調とか思い出すのが大変だった。