霜月十日・二〇〇九 #273

太古の昔に飛び立った巨鳥が、未だ空を舞うと伝えられる。空の涯を、高く高く。大地を逐われ、各地の塔に細々と暮らす我ら。塔を繋ぐ術もないが、それは最早、信仰と化していた。ある者は空に霞む純白を見たと云い、またある者は翼ある森だと云う。翼を喪った我らに確かめる術はない

「鶚」の成れの果て、かも知れない。するとそう云う時系列的繋がりがあるのか?