神無月十一日・二〇〇九 #170

祭りの夜に。「落としたコインはどこまで沈むの?」泉の前でそう訊かれた。興をそいで悲しませるのも忍びない。ずっと深いところだよ。ずっと、ずっとずっと。きっと心の奥につながっているかも知れないね、そう云うと彼女はとても優しい瞳をして微笑む。母譲りの、妻にも似た瞳で。

実はこの親子は何度も出てきている気が。理想なんだろうきっと。