長月廿八日・二〇〇九 #109
そこは世界を律する暗部。容ある信念のカタコンベ。己が名を認め、開く柩には半身。交代だ。誰を生かし、誰を殺す。委任状はこの手に。塒への足取りは、ただ重い。開け放した扉の向こう側に、だから気づきもせず。砂の心は、ただ涙を受け止めるだけ。熱だけがそこで震えていた
19.「動けぬ砂」
そこは世界を律する暗部。容ある信念のカタコンベ。己が名を認め、開く柩には半身。交代だ。誰を生かし、誰を殺す。委任状はこの手に。塒への足取りは、ただ重い。開け放した扉の向こう側に、だから気づきもせず。砂の心は、ただ涙を受け止めるだけ。熱だけがそこで震えていた
19.「動けぬ砂」