長月廿六日・二〇〇九 #092
大声をあげて泣くあいつは、なのに今迄で一番大人びて見えた。飲み干したカップを置き「行くぞ」ここに居るのは只の執行人。嘗て10-00「総取り」と呼ばれた、牙持つ子羊。「来るか」頷き。護るべきは背負った。ならば折れる筈などない。嗤うか、錆びた牙の傷は、癒えぬと知れ。
14.「慟哭と錆」
大声をあげて泣くあいつは、なのに今迄で一番大人びて見えた。飲み干したカップを置き「行くぞ」ここに居るのは只の執行人。嘗て10-00「総取り」と呼ばれた、牙持つ子羊。「来るか」頷き。護るべきは背負った。ならば折れる筈などない。嗤うか、錆びた牙の傷は、癒えぬと知れ。
14.「慟哭と錆」