文月十八日・二〇一〇 #624

だからきっと、シュレーディンガーが箱を開けた時猫は居ない。彼または彼女は「付き合ってられないし、付き合う義理もない」から。けれどあるいは、何事もなくするりと飛び出してきて、お気に入りの場所に上ってあくびを一つ、そしてくるりと丸まって吾関せずを貫くに違いないのだ。

生きているか死んでいるか、その場所に居ることすら曖昧な猫。そこが不快なら「そこはそこ以外のどこか」だと『観測』してしまえばいいのだ。