文月十七日・二〇一〇 #619

昨日までの雨もすっかり晴れて眩しい街を、あてどもなく歩いている。囃子の音色も賑やかに、祭一色に染まる景色は、強過ぎる陽射しに色を飛ばされたようで、握った左手も空を掴むばかり。貴女を見た気がした場所ばかり色づいて滲むから、洗い流してくれればいいのにと空を見上げた。

本当は前日、宵山に合わせて投入するつもりだった一作。我ながらこんなんばかりである。