皐月十二日・二〇一〇 #565

ゴールなど何処でも良いと発ったのはもういつの日か。溢れ返らんばかりであった荷ももうこの鞄一つになった。足許で、注意を促すようにエンジンが唸る。向けた視線の先に、色褪せたコンテナが横たわっている。傍らで紫煙を燻らす女は所在なげに、私の存在すら気にかける風情はない。

sakuyue嬢の写真付きのやつ、に反応して書いたんだと思う。どんどん荷物の増える女と、どんどん身軽になる男。存在感まで捨てたらしい……