睦月廿九日・二〇一〇 #462

空を見上げるたびに月が濃くなってゆく。ゆっくりと、杯を盈たすように。すっかり陽の落ちた夕暮れの闇に、溢れてけぶる光をおぼろに纏い。失くなる訳ではないのにどこか危うい朧月夜は成程、貴女がそう云う訳だ。零れた光の欠片に、背筋を撫でられて。その戦慄は、微笑みにも似て。

昨日の月を見ながら、思っていたことを骨子に書き上げたもの。まあ、それだけでもないのだが。